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レポート「核(原子力)と人類は共存できるのか?」前編
by マホ
4月10日(土)札幌エルプラザで開催された「核(原子力)と人類は共存できるのか?」に参加してきました。
今回の講師は、京都大学原子炉実験所助教授の小出裕章さんと、北海道の岩内で泊原発の温排水を33年間測り続けている岩内原発問題研究会代表の斉藤武一さん。小出さんの26ページにわたる充実の講演資料とお話しからレポートにまとめてみました。前編です。
■エネルギーレベル(=エネルギー準位)の高低が問題ではない
放射線の持つエネルギーレベルは、生命体分子結合の10万倍とも100万倍とも言われる。ヒバクというのはこの放射線を受けて人体の分子結合が切断・破壊されること。高レベルでは急性障害が現れるが、低レベルでもダメージを受けることには変わりなく、被曝が少なければ安全という主張は妄言である。
■原発と核兵器を結びつけるウラン
原発の燃料となるウランを濃縮する際に出るゴミが劣化ウラン。それを主原料にした劣化ウラン弾は非常に硬く重い物質(劣化ウランの比重は約19、鉄の2.5倍、鉛の1.7倍※Wikipediaより引用)で貫通力があり、飛び散って周辺を汚染する。安価な戦争兵器として、アメリカは2000年以降にアフガニスタンで1,000トン、イラクで2,000トン使用したと推定される。
イラクの子どもたちにガン、白血病、悪性腫瘍が急増しているが、それを科学的に関連性を証明することは難しい。しかし、猛毒の放射性物質を撒き散らす。それだけの理由でも十分に禁止されるべき非人道的兵器である。■原子力は未来のエネルギーになり得るか?
原子力は枯渇する石油に替わる未来のエネルギーと言われているが、戦前から現代にいたるまで石油の可採年数は、10年20年とむしろ伸び続け、最新では50年と言われるようになった。一方、ウランの埋蔵量は石油と比べると少なく、高速増殖炉でウランをプルトニウム変換する計画も世界の核先進国で失敗している。
日本の高速増殖炉「もんじゅ」は1kw(キロワット)も発電しないうちに1995年の事故で運転を停止し、以来14年間、施設の維持のために1兆円も注ぎ込こまれている。国は、この高速増殖炉実用化計画について10年先20年先と発表ごとに年数を増やしている。■環境問題の原因はCO2だけではない
地球温暖化のそもそもの原因は多様であり、CO2だけが原因ではない。CO2の排出は1946年以降に激増してるが、温暖化の現象は1800年から起きており、地球の歳差運動が関係するミランコビッチサイクル、太陽活動による変動サイクルやエル・ニーニョなどの自然要因も関係する。
また、人類の諸活動が引き起こした災害は、大気・海洋汚染、森林破壊、酸性雨、放射能汚染、戦争、貧困などがあり、CO2のみを温暖化の犯人扱いする議論は、科学的根拠が薄弱なまま、政治的に引き回されている。
それに便乗した形で原発は「発電時」にCO2を出さないことを強調されているが、ウラン採掘、運搬、加工、原発建設、核廃棄物の処理に発生するCO2や生み出される核分裂生成物(死の灰)に目をつぶる議論は正しくない。
後半に 続く
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